2013.10.30
最近、採用に関する相談依頼が増えています。
採用に関して、大企業の動向を調べてみると、アベノミクスの影響か、
採用数を増やしている企業は増えてきているようですが、どうも業界によってかなりの差があるようです。
例えば、金融や建設業界ではかなり採用が増えているようですが、
反対に製造業などでは減っていたりと、全体的に良くなっているとはまだまだ言い難い状況のようです。
弊事務所に寄せられる相談も、
忙しくなって人手が足りないというものから、
突然人が辞めてしまって困っているというものまで様々です。
採用のアドバイスは素質論コンサルティングでも重要な仕事の一つで、
採用が成功するか、失敗するかで会社の未来が決まってしまいます。
特に中小企業では採用による影響が大企業と比べて大きく現れます。
ですから、採用した人物が会社の空気を一転させ、
組織を成長させるきっかけになることもあれば、
逆にトラブルを起こし、組織存続の危機を招く事もあります。
その意味では、採用は組織を成長させる重要な投資機会であり、
良い人材を安定して獲得する術を持たない会社にとって、
採用はまさにギャンブルです。
採用を成功させるための鍵は、採用に“計画性”を持つことです。
今まで私がご相談を受けてきた中で採用に失敗している会社の共通点は、
例外なく、採用に“計画性”がありませんでした。
どんな人物が自社に欲しいのか、その人物にどんな役割を担って欲しいのか、
どんなパーソナリティの持ち主なら自社の既存メンバーに馴染むのか、
全てが行き当たりばったりで、採用したとこ勝負のところがあります。
現在の労働基準法では、採用した人物を辞めさせることは容易ではありません。
能力や働きの悪さだけで辞めさせることは無理なのです。
しかし、まるで猫の手でも借りたいといわんばかりに、
人手不足解消のための場当たり採用を行っている企業は少なくありません。
同じお給料を払うのであれば、少しでも優秀な人材が来て欲しい。
これが経営者の本音だと思います。
そのために中小企業でもお金をかけずに工夫できるポイントが二つあります。
それは、“募集広告”と“面接”です。
採用に計画性がなければ、この二つは儀式的なものになり、
最終的に、経営者や面接担当者の勘によるところとなってしまいます。
組織を活性化しようと考えるとき、新たに人を採用しようと考える経営者は多いです。
しかし、必ずしも、新しく人が入っただけでは組織は変わりません。
むしろ変わらないどころか、人を入れる前より悪くなるケースも少なくありません。
皆さんの記憶にも新しいと思いますが、
大阪で行われた公募校長制度がまさに採用で失敗した顕著な例です。
橋下市長が鳴り物入りで導入した制度でしたが、
民間から採用した11人の校長の内、6人が不祥事や問題行動を起こしています。
制度自体に問題がないことを橋下市長は強調されていましたが、
研修を強化しても、採用基準や面接方法を見直さなければ、同じ問題は起こり続けます。
これから人材の募集を考えている企業様や団体様は、
そのような悲惨な結果にならないよう、戦略と計画性を持って採用されることを願います。
Copyright (C) 2008-2013 FGP Co.,Ltd. All rights reserved.